コンテンツへスキップ

Zeiss Telementor(2)

2015年7月6日

Zeiss Telementor の心臓部、有効径63ミリ、焦点距離840ミリのアクロマートレンズ。

この口径、F値でも貼り合わせ式。コーティングはシングルコート。

セルは円筒状で精度の良い肉厚鏡筒の中に滑り込ませ、鏡筒横から2カ所の埋め込みボルトで留める。光軸の調整機構はなく、セルにはこのねじに対応する凹みが設けられていて、ねじを固定するだけで光軸が出るようになっている。

セルのレンズ押さえもかなり凝っている。カニ目リングとレンズの間にスプリング機能のあるスリ割りリングが設けられ、さらにレンズとは3カ所の突起で接するようになっている。

この構造によりレンズのガタツキを有効に抑えると同時に、温度変化によるレンズ圧迫にも寛容になっている。

さて、肝心のレンズ性能だが、これは素晴らしい。

この口径でF値が13ということもあるが、色ズレは少ない。一昔前のEDアポクロマートのような色消しで、月を見ても中倍率までは色収差を感じない。口径センチ15倍くらいになると月は若干黄色味を帯び、エッジにはごく薄い青色のにじみが出てくるが、国産のアクロマートレンズと比較すればずっと少ない。

特にツァイスの25-H、16-Oで見る月は真っ黒な背景に色にじみのない眩しいほどの月がぽっかりと浮かぶ様は素晴らしい。

土星は輪の傾きが大きくなっていることもあり、カッシーニの空隙はこの口径でもはっきり見ることができる。本体の模様もよくわかる。

倍率を口径センチ22倍(ビクセンのオルソ6ミリ)に上げても、像は暗くなるが荒れは出てこない。

恒星像も教科書的なエアリーディスクとジフラクションリングがきれいに見える。 おとめ座のポリマ(2015年は角距離2.3秒ほど)もビクセンのオルソ9ミリの93倍できれいに分離する。

6センチクラスの望遠鏡を覗いているとは思えない見え味には感嘆するほかはない。

wpid-telementor-2015-07-6-21-03.jpg
シングルコート、貼り合わせ式のアクロマートレンズ
wpid-telementor2-2015-07-6-21-03.jpg
レンズセルは肉厚の鏡筒横から2カ所固定する
img_2583_150628
ファーストショット前の晩のたった5枚のテストショットから(2015.6.28)
25-H + Canon EOS M + EF-M22 手持ちコリメート撮影だが色にじみによる曖昧さがない

 

18件のコメント
  1. 長野 permalink

    こんにちは ながのです。そうなると、10センチクラスのツァイスが欲しくなりますね、長焦点アクロマートは 像の平坦性や色合いが目に優しいというか ほっとしますね、最近手に入れた ビクセンの90ミリ F1300ミリ いいレンズでした 昨晩は北極星の伴星もスッキリ見えて 素直な引きしまった星像は、同じビクセン8センチF15よりいいのでは、ないかと感じました。ビクセンの望遠鏡は鏡胴や接眼まわりでコントラストを落としており フローライトシリーズは いいレンズだったのに残念でしたね。

    • こんにちは。
      長焦点アクロマートはいいですね。温度順応も早いし、素直な星像は短焦点アポにはない魅力です。
      最近SタウンからF20の長焦点アクロマート鏡筒が出ましたが、(少々やり過ぎ感はありますが)一度覗いてみたいものです。
      コントラストについてはTelementorはすごいですね。筒の中が真っ暗です。
      さすがに10センチクラスのツァイスは出物があっても高価すぎて入手はためらいます。今のところTeleVue102で満足しているので・・・

  2. カズ permalink

    こんばんは、投稿を拝見し、コメントを残させていただきます。
    私もTelementorユーザーなのですが、使わずに長期保存していたところ、対物レンズにカビが発生してしまいました。
    それで、レンズを掃除しようと思いまして、鏡筒横の2カ所の埋込ボルトを外したのですが、セルがまったく動きません。
    昔天文少年はセルを外されたのでしょうか? もし外されたのであれば、2カ所の埋込ボルトを外すだけで、セルが動きましたでしょうか?
    セルが固着しているかもしれず、何とか工夫してカニ目リングを外しことも考えています。セルの周りにシリコンオイルを浸み込ませて、衝撃を与えてみるといったことも考えていますが、レンズが心配で・・・。
    お手すきの時に御教示いただければ幸いです。
    よろしくお願いいたします。

    • こんばんは。
      Telementorのセルですが、鏡筒横の埋め込みボルトを外せば取り出すことができます。
      かなり精度よく組み込まれていますので、筒先端側を少し斜め下側に向けて(万が一のセル落下には注意してください)、鏡筒セル部分にタオルなどを巻いた上で木槌などで円周方向に満遍なく軽く振動を与えてみてください。するっとセルが下がってくるはずです。レンズは貼り合わせ式ですので多少の振動は大丈夫なはずです。
      セルは長手方向に10センチほどあります。固着気味の場合は埋め込みボルトの穴からCRCなどを軽く円周方向に馴染ますのも良いかもしれません。ドライヤーで鏡筒円周方向に程よく熱を加えて温めると筒が気持ち拡張してセルが抜けやすくなる場合もあります。経年によりレンズ貼り合わせのバルサムが劣化してきている場合がありますので熱を加える場合はあまり高温になさらないように。
      ご参考になれば。

      • カズ permalink

        早速の御連絡、ありがとうございました。
        ご丁寧に教えていただき、誠にありがとうございます。
        この週末、試してみたいと思います。セル、10センチもあるのですか・・・。
        今、ペルセウスを観たりしています。東京でも短時間で3つも。
        この秋はTelementorを頻繁に使いたいと思っております。

      • こんにちは。
        私の方はTelementorは手放してしまいました(他に使ってみたい望遠鏡や架台があったので)が、
        この望遠鏡はこのクラスとしてはとても良く見える望遠鏡です。
        日本製の望遠鏡も良く見えるものはありますが、Telementorのように星の粒立ちが美しいものはないと思います。

  3. カズ permalink

    こんばんは。
    本日、作業をしまして、おかげさまで無事にセルを取り出すことができました。
    目で確認する限り、カビを綺麗にすることができました。
    私の場合、なかなか旧機を手放すことができず、小学生時代に購入したパノップも含め、5機程なのですが部屋を占有しています。
    それ以上に双眼鏡を多く所有しているのですが、窒素封入ということで油断してしまい、シュタイナーの8cm双眼のプリズムが曇ってしまって、時間には敵わないと感じたりしています。
    双眼鏡でも、ツアイスで星を観ますと、美しく感じられ、歴史という感じもプラスされるのかもしれないですが、楽しいものです。日本製でも、ペンタックスのコレは星に適している!といったものに出会うこともあり、奥深く感じたりします。
    何はともあれ、ありがとうございました、お礼申し上げます。

    • こんばんは。
      無事セルを取り出せて良かったですね。
      パノップですか。なかなか貴重なものをお持ちですね。
      私も御三家の一つスリービーチのスリーコールスーパーミラーを使ったことがありますが、木星が乱視のように二つにダブって見え、速攻で粗大ゴミとして消えたことがありました。かれこれ30年ほど前のことです。今となっては残しておいて詳しく検証してみれば良かったと思っています。
      私も双眼鏡も幾つか使ってきましたが、防水はあまり信用しておりません。基本的にゴムのシートなどで気密性を保っているものが多く、長年月の耐用には不安があります。
      星の美しさですが、これは難しいですね。ツァイスやライカは収差補正面ではニコンには敵いませんが、実際に見てみると星の粒立ちが良く美しく感じます。カメラのレンズでもわずかなハローが写真を美しく味のあるものに見せていますので収差補正のみではわからない部分です。タカハシ、ビクセン、ボーグなどは良くは見えますが星の粒立ちは美しくないです。ペンタックスはちょっと違うなと感じていて、収差は多い(性能を損なうようなものではない)のですが星は美しいです。今メインで使っているテレビューもフローライトに比べると色づきは多いとは思いますが、星はキラキラと輝いて美しいです(写真性能はタカハシ、ビクセンに劣ると思います)。
      日本のメーカーも写真性能ではなく、本来の望遠鏡の姿、見て美しく見えるものを作っていただきたいと思っております。

  4. カズ permalink

    テレビュー、素晴らしいのでしょうね、きっと。私も双眼望遠鏡に興味を持ちましたが、価格のインパクトには勝つことができず・・・。
    パノップは8cm屈折なのですが、子供の頃の記憶で、父親の値引交渉を思い出します。1万円弱を値引きしてもらったのですが、附属アイピースがOR4からSR4に変更されました。300倍の倍率、何を観ろということだったのか・・・。不注意で、対物レンズに貝殻状の欠けができてしまいましたが、良いおもちゃでした。
    パノップ、木星の縞は確認できたことは覚えています。よくサングラスを取り付けて太陽を観ていたのですが、黒点は良く見えましたよ(笑) 

    • こんばんは。
      屈折は反射に比べ当たり外れは少ないので、P社のものでも見えなかったということはなかったのでしょうね。
      8センチで300倍、近接二重星ぐらいでしょうね。それでも余程気流が良くてレンズも上等でないと使えないですね、架台もしっかりしていないと。
      太陽は接眼側のサングラスは怖くて最近は対物側のフィルターを用いていますが、フィルターと対物レンズの間に空間があるとその空間の熱が悪さをするように感じております。Telementorでも太陽は見ましたが、よく見えましたね。対物側のフィルターなのでオルソ系の質のいいアイピースが使えて、米粒組織もよく見えました。

  5. カズ permalink

    実は、貝殻状の欠けができてしまったこともあり、P社の8cm、f=1200mmのアクロマートレンズを別途に注文してしまったのでした。当時、定価は11,000円でしたが、ちょっとした行き違いがあり、またも値引きしてもらいました。すると、気のせいかもしれませんが、見え方が違う。これが、当たり外れというものかもしれません(笑)
    他が今一つだったかもしれませんが、太陽の黒点は良く見ました。光が表面に出るまで相当に時間が掛かり、それから8分経って届いたという感動?もあって、興味ありましたね、当時。しかし、接眼側のサングラス(たまに口径を自作の紙で絞っていましたが)という、危ないことを続けたため、おそらく、それが原因だと思いますが、左目に比べ右目の視力が相当に悪く、後悔しています。自分の甘さですが・・・。
    最近は双眼鏡で星空散歩をするのが主なので、首が痛くなるくらいで、危ないことはしないのですが。

    • こんばんは。
      8センチクラスはどこもそれなりに見えるらしいですね。
      P社の架台は筒に比べ細く、バランスウエイトも見るからに軽そうだったので高倍率ではなかなか辛いものがあったのではないかと思います。
      目もそうですが、首も痛くなると辛いですよ。もう天頂ミラーがないとダメです。

  6. カズ permalink

    こんばんは。
    確かに、P社の架台は厳しい状況です。購入してまもなく、赤緯軸のクランプを強く締めたところ、赤緯軸が折れてしまいました。P社に連絡しましたら、交換してくれましたが・・・。
    風が吹くと、高倍率の際には、木星が振れていたことを思い出します。
    でも、現在使っているGP赤道儀でも揺れはそれなりにありますので・・・。
    良いものは、赤道儀が重くなってしまうこともあり、辛いですね、腰が。

    • こんばんは。
      架台はどんなメーカーもそれなりに揺れますね。
      長い筒を使えばなおさらです。
      GPD赤道儀やタカハシの強固な赤道儀でも筒の長さが1mを超えてくると、風で揺れますし、ピント合わせでもプルプルします。
      揺れや振動が100倍にも200倍にもなって見えているわけですからしょうがないですね。
      それにしても赤緯軸が折れてしまうとは・・・すごいですね。クランプのネジじゃないですよね?
      三脚のネジを切ってしまったり、木製三脚をネジの締込みすぎで割ってしまったことはありましたが。

  7. カズ permalink

    こんにちは。赤緯軸は間違いでした。赤経軸と三脚架台とのジョイント部分の軸でして、説明が難しいのですが、P社の赤道儀は両端から締めることによって赤経軸を固定します。鋳物の不良だったようですが、今考えますと、このような軸は棒鋼でないともたないのでは?と・・・。赤道儀はどこかに外注していたのでしょうけど。(望遠鏡購入時に足立区のパノップに行ったところ、道にレンズの研磨材やレンズの失敗作?などが箱に入って積んでありましたので、レンズはそこで作っていたようですが・・・)

    • こんばんは。
      どちらにしても、珍しい不具合ですね。
      軸はやはり鋼材でなくてはいけないでしょうね。
      それにしてもP社で研磨いていたとは驚きです。多分、レンズというよりは反射鏡でしょうか。
      反射鏡はあまり評判が良くなかったですよね。

  8. カズ permalink

    こんばんは!
    反射鏡、使ってみたことは無いので、何とも言い難いのですが、レンズの欠けにて、8cmレンズを注文した際、なぜか15cm(だったかな?)の反射鏡が送られてきました。そのまま、その鏡も手元に置いておけば、面白かったのかもしれませんが、なにせ中学生時代ですから(反射鏡の方が安かったからかも・・・)、すぐに間違いを指摘し、送り返した記憶があります。それで、当初の注文が値引きになったという経緯が・・・。
    懐かしい思い出です。マクストフカセグレンも期待していたのですが・・・。

    • こんばんは。
      いろいろありますね。
      P社のマクストフカセグレン、買った人っているのかな?
      当時はニュートン反射でも屈折でも筒が長い方がかっこいいと思ってましたから、
      あの太い短い鏡筒にヒョロヒョロの架台では欲しいとは思いませんでした。
      でも20センチニュートン反射経緯台なんか、写真では結構堂々としていておまけにすごく安くて、ちょっと欲しかったですね。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。